なんとかしてあげたい犬の車酔い。予防や対策は?

2018/06/07

vol.005

犬を車に乗せて、颯爽とドライブに出発。新しくできたドッグランに連れて行ってあげようと張り切っていたのに犬の様子がおかしい、とうとう吐いてしまったという経験ありませんか?
人間と同じように、犬も車に酔うことがあります。せっかくの楽しいおでかけなのに、飼い主さんも犬もぐったりということになりかねません。そこで100名の獣医師に犬の車酔いの予防や対策について伺いました。犬との快適ドライブの参考にしてください。

車に酔う犬の割合は?

100名に獣医師に伺ったところ、車酔いをする犬は「1割程度」「2-3割」が最も多いという回答が得られました。「4割」以上、また「9割以上」という回答もありました。車に酔う犬は、意外と多くいそうです。

「車酔い予防」事前にとるとよい対策は?

「病院で酔い止めのお薬をもらっておく」という回答を最も多くいただきました。続いて多かったのが、日ごろからちょくちょく車に乗せて慣れさせておく、という回答でした。

酔い止め薬をもらっておきましょう

大阪府
酔い止め薬を2時間前に高容量で与える。
富山県
軽い鎮静薬を飲ませる。
石川県
酔い止め。
神奈川県
投薬。

ドライブに初めて連れて行くときや、酔った経験があるときは、まず動物病院で相談してみましょう。

車に慣れさせておきましょう

東京都
時々、車でお散歩の場所まで行くなど、楽しい場所まで(短時間で行ける距離)乗せてみる。
東京都
臨床経験:6-10年
得意な診療科:眼科, 総合診療, 一般内科
車に慣れておいてもらう。
大阪府
乗り慣れさせておく。
京都府
短時間のドライブを繰り返す、車に乗るだけ(動かさない)で練習する。

動かさなくても「車に慣れる」ことも大切ですね。また、車で散歩など「楽しいところ」へ行く経験で車への苦手意識も消えそうですね。

ケージの用意を検討

鹿児島県
ケージを用意して安静にできるようにする。
滋賀県
ケージ内で安静にできる様に、訓練しておく。

ケージのなかで、安静にさせることも犬によっては有効です。

千葉県
臨床経験:26-30年
得意な診療科:総合診療, 外科, 一般内科
自転車から慣らす。

乗り物に乗って移動する感覚に慣れるには、自転車もよいですね。公道ではなく公園などで犬が落ちないよう、安全に配慮しながら試してみてください。

鍼灸を試す

東京都
臨床経験:6-10年
得意な診療科:腫瘍科, 血液学, 皮膚科
鍼灸(耳)。

人間の車酔いでも鍼灸を受ける方がいます。鍼灸を取り入れている獣医さんに、相談してみましょう。

餌やおやつは与えないでおく?

餌を与えないで空腹にすることについては、ご意見が分かれました。お腹いっぱいで車に乗ると、酔って吐いてしまう犬は絶食が有効かと思われます。

出発前に餌やおやつを与えないで空腹にさせておくことに同意された獣医師の方に、さらに目安時間を伺いました。

出発前の絶食時間は「4-6時間」という回答が最も多く、続いて「3時間」「2時間」「1時間」となっています。「10時間以上」、また「7-9時間」という回答もいただいていることから、餌を食べたあと車に酔う犬は、長時間ドライブの前に動物病院で相談することをおすすめします。
普段の食べる量や排便の状況などを伝え、有効な時間のアドバイスをいただきましょう。

ドライブ中の車酔い対策は?

走行中も犬が酔わないように、安全に配慮しながら対策をとってあげましょう。

ドライブ中は優しく運転・こまめに休憩を

最も多いのが「こまめな休憩をとる」でした。こまめな休憩は、運転する方も疲れずにすみますね。

神奈川県
こまめに休憩を取る。
京都府
「優しい運転」急加速・急ブレーキは禁物。小まめな休憩。
奈良県
臨床経験:11-15年
得意な診療科:内分泌・代謝疾患, 皮膚科, 外科
運転の方法自体を改善していただく。例えば急発進などを避ける、急旋回を避ける、抱っこで運転しないなど。
千葉県
ゆっくり運転する。

カーブが続くのは、酔う犬にとっては辛いものです。

北海道
臨床経験:16-20年
得意な診療科:皮膚科, 一般内科, 血液学
高速道路を使う、山道は行かない。

運転もやさしく、を意識していただくとより良いですね。抱っこで運転は危険ですし、避けるようにしましょう。

運転中に時々優しく声をかけるのも効果がありそうですが、あまりよくないというご意見もあります。かまわれるとかえって酔ってしまう子には声をかけず、静かな運転で対応してあげましょう。

逆に不安を感じやすい、デリケートな犬はかまってあげるといいですね。また下痢をする場合はお薬も効果的です。車内の温度にも気を配ってあげましょう。

大阪府
涼しくする。下痢止めも与える(下痢をする犬には)。同乗者ができるだけ構ってあげている。

走行中は新鮮な空気を

犬が飛び出さない程度に窓を開け、つねに新鮮な空気を入れてあげましょう。

東京都
臨床経験:0-5年
得意な診療科:皮膚科, 総合診療
窓を開ける。

クレートに入れて固定やシートベルトは犬のタイプで判断

クレートに入れてクレートを固定するのは半数の先生が同意されていますが、おすすめされない先生もいらっしゃいます。
犬用シートベルトについてもご意見が分かれたところです。性格や体格など、犬のタイプで判断してみましょう。

埼玉県
臨床経験:6-10年
得意な診療科:皮膚科, 一般内科
車の中で犬がうろうろできないような、車用の装備をつけておく。

試してみて酔ってしまうようでしたら、すぐにやめるなど犬の様子を見ながら対応してみてください。

景色を見せないように

今まで外の景色を見せていた場合は、見せないようにしてみてください。

東京都
臨床経験:26-30年
得意な診療科:総合診療, 循環器科, 皮膚科
リラックスできる状態にする 窓の外を見せない。
神奈川県
外の景色を見せない。

それでも犬が酔ってしまったら?

まずは休憩をとりましょう

犬が酔ってしまったら、まずは安全なところで車を止めてしばらく休憩をとりましょう。休憩をとる場所に移動するまでは、ゆっくり走ってあげることも大事ですが、酔ってしまった状況によってはあまり効果がない場合もあります。

神奈川県
休憩を取る。
北海道
酔ってしまったら、休憩しかない。
落ち着くまで休憩する。

できれば休憩場所にも気を配りたいですね。

北海道
臨床経験:6-10年
得意な診療科:循環器科, 一般内科
新鮮な空気と涼しい場所で休ませる。

お薬も有効。ツボの刺激も

大阪府
乗り物酔い薬を事前にもらっておいて、車を停めて落ち着いたら飲ませる。
愛知県
乗り物酔い薬を内服させる。
兵庫県
臨床経験:11-15年
得意な診療科:総合診療, 救急救命科, 一般内科
薬物の利用、内関*1などの刺激。
  1. 内関(ないかん)は前肢にあるツボです。

食べ物・水は様子を見ながら

回復していてお腹がすいているようでも、少し様子を見たほうがいいかもしれません。吐いた後のお水も、飲ませないほうがよいというご意見もあります。刺激になってまた気持ちが悪くなるかもしれないので、無理させないようにしましょう。

治らない場合は近くの動物病院を受診することも検討

茨城県
臨床経験:26-30年
得意な診療科:皮膚科, 一般内科, 外科
誤嚥でもしない限りあまり気にしなくて良い 調子悪ければ受診を。
兵庫県
状態が悪ければ近隣の病院に行く。

状態によっては、旅行は中止したほうがいいかもしれません。

埼玉県
臨床経験:11-15年
得意な診療科:一般内科, 循環器科, 総合診療
旅行を中止してもらう。

酔いやすく、体調も崩すような場合は、無理は禁物です。

千葉県
そもそも無理して車に乗せないほうがいい。

まとめ

楽しいはずの犬とのドライブ、犬が酔ってしまうのはかわいそうですし、飼い主さんも心配になります。まずは動物病院を受診して、乗り物酔いのお薬について相談してみましょう。また、日ごろから車に慣れさせるのも有効ですね。
走行中はやさしく、ゆっくり運転してあげること、まめに休憩をとることが大切です。酔ってぐったりしてしまう時は、受診することも検討しましょう。