とても多い犬の皮膚トラブル! その原因と対策は?
2018/06/25
vol.006
皮膚症状は、犬が動物病院にかかる疾患として最も多い症状の一つです。皮膚症状にはさまざまな原因があるため、適切な対策が必要です。
獣医師100名に、皮膚疾患とその対策について伺いました。
皮膚疾患は犬で最も多い疾患の一つ
100名の獣医さんに伺ったところ、動物病院への来院が多い疾患として、84%もの先生が「皮膚疾患」を挙げました。皮膚疾患で悩む犬は少なくないようです。
飼い主さんは別の目的で動物病院に来院した場合でも、獣医師の方から、皮膚症状について指摘する場合も多くあるようです。飼い主さんが気に留めていない事であっても、犬のために治療した方がよい皮膚症状も多いのですね。
皮膚症状の最たる原因は、犬のアトピーか感染症
獣医師100名の回答では、皮膚症状のある犬の原疾患の内訳は上記の通りとなりました。「犬のアトピー性皮膚炎」「食物アレルギー」「その他アレルギー性皮膚炎」そして「併発」を合計すると、アレルギー性の皮膚症状が全体の約6割を占めます。
その中でも、犬のアトピー性皮膚炎は、「併発」を併せると40%にものぼり、皮膚症状がある時に最も疑われる疾患の一つのようです。
さらに、「皮膚感染症」も約3割あり、アレルギー性の皮膚疾患と感染症だけで、皮膚症状のある犬の90%以上を占めるようです。
皮膚トラブルの対応法は?
- 千葉県
臨床経験:6-10年
得意な診療科:総合診療- 皮膚疾患は重症化するまえに治療することが望ましいので早めの受診を心がけてください。
もし、大切な家族の犬に皮膚の症状が出てしまったら、何よりも大切なのはまず動物病院を受診することです。皮膚症状には、アトピー、食物アレルギー、感染症など様々な原因があり、それぞれごとに対策が異なります。そのため、まずは獣医師の診断を受ける必要があります。
獣医師と飼い主の信頼関係も重要
- 大阪府
臨床経験:11-15年
得意な診療科:総合診療- 治療が長期にわたっても獣医を信じること。
- 大阪府
- 自己判断しない。
適切な診断、治療には獣医師の力が必要です。獣医師の指示通りに従い、適切な治療を心がけることが早期の解決に繋がるのですね。
- 北海道
臨床経験:6-10年
得意な診療科:循環器科- 服を着せて掻かせない、爪切りをまめに行い皮膚が傷つきにくくする。
場合によっては、空気の洗浄などの環境改善やエリザベスカラーの装着が有効な場合もあるようです。これらについても獣医師に相談をしましょう。
一方、「痒がる場合はおもちゃなどで気をそらす」「患部を冷やす」などの対応は、あまり推奨されていません。
症状を観察してみましょう
- 東京都
臨床経験:11-5年
得意な診療科:皮膚科- 症状のスコア化。
- 大阪府
- 病院に連れて行くときにひどい痒みを示している動画やかゆみのひどい部分の写真をとって記録して獣医師にみせる。
獣医師に適切な診断と治療を行ってもらうため、自宅でも症状の記録をとってみましょう。
事前に皮膚疾患の知識を身に着けよう
- 東京都
- 犬種ごとに多い皮膚疾患についてあらかじめ知っておいてもらう。
犬種によって発症しやすい病気は異なります。犬を飼う前から、かかりやすい皮膚疾患や病気を把握しておくことも重要です。
生活環境を整えましょう
- 富山県
- 小まめな掃除。
- 岐阜県
臨床経験:16-20年
得意な診療科:皮膚科- タバコをやめる。
犬が過ごしやすい環境を飼い主が整えてあげましょう。
- 兵庫県
- 規則正しい生活。適度の運動を含む。
- 滋賀県
- 外から帰ってきたら体をふく。
- 大阪府
- 適切な外部寄生虫の予防をする。
適度な運動に加え、外出後は適切なスキンケアを心がけましょう。
過剰に心配しすぎないことも大切
- 埼玉県
臨床経験:16-20 年
得意な診療科:循環器科- 神経質にならず見守る、付き合う気持ちで。
皮膚疾患は治療が長期にわたることもしばしば。症状の改善具合に神経質になりすぎず、獣医師と相談しながら、焦らずゆっくり犬の症状と向き合いましょう。
まとめ
犬の疾患として最も多いものの一つである皮膚疾患ですが、その原因はアトピーであったり食物アレルギーであったり、感染症だったりと様々です。必ず動物病院を受診して、獣医師の指示通りに治療を行いましょう。
皮膚疾患の場合は投薬だけでなく、シャンプーや保湿、フードなど飼い主が適切な管理を行うことで改善されるケースも多いです。
大切な家族の健康のために頑張ってあげたいですね。