猫の熱中症対策 気を付けるべきことは?

2018/08/06

vol.011

猛暑の中、長時間日向ぼっこをする猫の様子を見ると、猫が熱中症にならないか気になってしまいますよね。猫の場合、どのような環境に注意すべきなのでしょうか。
猫の熱中症の対策や応急処置について、獣医師100名に伺いました。

猫にとって、どの程度の室内温度が危険?

100名の獣医師に伺ったところ、7割以上の先生が「室内気温が30度以上」の場合は、猫の熱中症に注意すべきだと答えられました。

さらに、気温だけでなく湿度にも十分に注意を払いましょう。

岐阜県
臨床経験:16-20年
得意な診療科:外科,泌尿器科,総合診療
気温が低くても、湿度が高いと熱中症になることがあります。

猫の熱中症予防において、温度や湿度以外に注意すべきことについて、さらに詳しく獣医師の皆さんに伺いました。

猫の行き先に注意

北海道
臨床経験:16-20年
得意な診療科:一般内科,腫瘍科,皮膚科
猫は高いところが好きなので、部屋の天井付近に熱がこもらないように注意してください。
鹿児島県
臨床経験:11-15年
得意な診療科:一般内科,皮膚科,歯科・口腔外科
猫は窓の近くに行く事が多い。室内温度だけでなく猫のいる場所の暑さに注意してほしい。

猫はもともと、暖かい場所を好む生き物です。日向ぼっこ中は「気分が悪そうにしていないか」「長時間い続けていないか」ということを意識して様子を確認するようにしましょう。

猫は暑さに強い? おすすめのエアコン設定

埼玉県
臨床経験:6-10年
得意な診療科:総合診療,皮膚科,一般内科
もともと猫は暑さに比較的強く、あえてエアコンのついてない部屋で平気そうにしている場合もあります。設定温度は人が快適と思う温度で大丈夫です。エアコンの効いた部屋とそうでない部屋を自由に行き来できると良いと思います。

猫の中には、エアコンが嫌いな猫もいるかもしれません。だからといって部屋でエアコンをつけないのはとても危険です。エアコンを付けた部屋のドアを少し開けて、猫が好きなタイミングで部屋を行き来できるようにすると良いでしょう。

水をいつでも飲めるように

兵庫県
臨床経験:16-20年
得意な診療科:一般内科,皮膚科,エキゾチック
室温だけでなく、湿度と水の管理も注意してあげてください。

猫がいつでも水を飲めるように、環境を整えてあげましょう。

猫の状態や疾患の有無に注意

岐阜県
臨床経験:1-5年
得意な診療科:一般内科,内分泌・代謝疾患,皮膚科
部屋の温度・湿度・風通しに注意。高齢猫・肥満猫・腎不全や心不全などの疾病がある猫では注意。
北海道
臨床経験:16-20年
得意な診療科:総合診療,外科,一般内科
心疾患のある猫、肥満の猫は、気温を低くする。

高齢猫の場合や、疾患持ちの猫の場合は、より猫の体調に気を配ってあげましょう。

獣医師が勧める「猫の熱中症対策」は?

100名の獣医師にご意見を伺ったところ、「トリミング(サマーカット)を行う」「シャンプーをする」などの対策よりも、シンプルに「クーラーで温度・湿度調節をする」という回答が最も多い結果になりました。

エアコンが嫌いな猫の場合

鹿児島県
臨床経験:11-15年
得意な診療科:一般内科,皮膚科,歯科・口腔外科
猫はクーラーが嫌いな場合がある。扇風機で空気を回して涼しくなる工夫を。カーテンと窓の間にいる事も多いので居場所に気をつけてほしい。

クーラーが嫌いな猫や暖かい場所を好む猫には、エアコンと扇風機を同時に使いこなして室内全体が涼しくなるように工夫をしてみましょう。

猫の行動を観察しよう

石川県
臨床経験:31-35年
得意な診療科:一般内科,消化器科,皮膚科
猫の様子をこまめに観察して欲しい。
大阪府
ネコさんは自分で暑い所に移動して熱中症になってしまうことがあるので、納戸などの暑い場所には入り込めないように工夫した方が良いでしょう。

暖かい場所を好む猫の場合は、猫の行き先に注意を払いましょう。目が行き届かない場所で心配な場合は、その場所に行けないよう入り口をふさぐなどの対応をとりましょう。

猫の熱中症の症状は?

熱中症は、命に関わることもある病気です。初期症状からはやく気づき、早急に対処しましょう。

初期症状
 荒い呼吸がおさまらない、体温が高い、ふらふら歩く、よだれが大量に出ている、嘔吐 など
重度の症状
 下痢、血便、けいれん、意識消失 など

初期症状に加え、重度の症状が見られ場合、すぐに応急処置を行い、一刻も早く動物病院へ連れて行きましょう。

熱中症の応急処置とは?

涼しい場所に移動させ、獣医師の指示を仰ぐ

東京都
臨床経験:21-25年
得意な診療科:総合診療,一般内科,歯科・口腔外科
エアコンを最大にかけた部屋に入れる。
愛知県
すぐに病院へ連絡し指示を仰ぐ。

熱中症が疑われたら、まずは猫を涼しい場所に移動させて、獣医師の指示を仰ぎましょう。

猫の体を冷やす

千葉県
臨床経験:6-10年
得意な診療科:歯科・口腔外科,皮膚科,一般内科
動物病院に電話し指示を仰ぐ間に、保冷剤などで体を十分に冷やす。
兵庫県
臨床経験:6-10年
得意な診療科:一般内科,,
水で濡らした布で包んだ保冷剤を首、腋窩、内股に挟む。 低温やけどに注意する。 意識が明瞭でないなら水等の経口摂取は控える。

猫の体を冷やす方法として、「常温の水で濡らしたタオルを猫の体にかける」「布にくるんだ保冷剤を脇や首にあてる」などの方法が推奨されます。

群馬県
臨床経験:16-20年
得意な診療科:腫瘍科,総合診療,外科
体を濡らして冷やす、室温を下げる、扇風機などで風を当てる

体が濡れることを嫌う猫も多いです。その場合は、エアコンや扇風機などで室内温度を調整できると良いでしょう。

兵庫県
臨床経験:16-20年
得意な診療科:一般内科,皮膚科,エキゾチック
濡れることを嫌うねこちゃんが多いので、人が寒くなってもできるだけ室温を下げて体を冷やしたあげて下さい。

39度ぐらいまで体温を下げる

東京都
臨床経験:11-15年
得意な診療科:総合診療,一般内科,循環器科
冷やすのをやめても、体が濡れていると体温はより低下するので体温を下げすぎないようにする。39度を目安にする。

体を冷やすことは大切ですが、急速に体を冷やすことは逆効果です。猫の肛門から体温を測りながら行ってください。目安として、39度ぐらいまで下げましょう。

できるだけ早く病院へ!

もしもの時は、応急処置とともに早めの受診を心がけましょう。

東京都
臨床経験:16-20年
得意な診療科:一般内科,消化器科,循環器科
特に猫は症状がわかりににくいため、異常が疑われた場合には早めの受診をおすすめします

まとめ

「室内温度が気温30度以上」の場合、猫が熱中症を発症するリスクがあると獣医師から多く回答を頂きました。

熱中症対策で重要なことは、「空調管理」と「水分補給」です。エアコンをつけている部屋は、猫が出入りできるようにドアを少しだけ開けておきましょう。

熱中症の応急処置として重要なことは、以下の3つです。
 1.かかりつけ医に連絡し指示を仰ぐ
 2.布にくるんだ保冷剤を脇や首にあてる
 3.病院につくまでの間、水を与え、水や濡らしたタオルで体を冷やしてあげる

猫は暖かい場所を好み、自ら日差しの強い場所に向かうことがあります。だからこそ、飼い主が猫の様子をこまめに観察したり、危険な場所に行けないように工夫を凝らすことが大切なのですね。

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