どうにかしたい猫の夜鳴き、原因と対策は?
2018/12/04
vol.017
夜中にニャオーンと独特の声で猫が鳴くことを「夜鳴き」といいます。飼い主様だけでなく、ご近所が寝ている時間帯に夜鳴きをされると困ってしまいますよね。
今回は、獣医師100名に猫の夜鳴きの原因や対処法について伺いました。
夜鳴きをする猫はどれくらいいる?
夜鳴きをする猫の割合について獣医師100名に伺った結果、どの年齢層の猫においても「1割程度」の回答が最も多くを占めています。年齢別に比較してみると、「子猫」や「成猫」よりも、「老猫」において夜鳴きはよく見られるようです。
夜鳴きの原因は?
100名の獣医師に伺ったところ、「発情期にみられる興奮(去勢・避妊をしていない場合)」の回答が最も多く、次に「認知症・痴呆症の症状(高齢猫の場合)」の回答が続きました。
- 大阪府
臨床経験:21-25年
得意な診療科:一般内科- 病的な例が多い。
そのほか、考えられる猫の夜鳴きの原因について獣医師に伺いました。
病的な原因
体の苦痛や、病気の症状が原因で、夜鳴きをすることがあります。
- 東京都
臨床経験:11-15年
得意な診療科:総合診療- 腎不全や甲状腺機能亢進症などの病気によるもの。
- 福岡県
- 甲状腺機能亢進症、脳腫瘍。
- 腎不全
- 腎臓機能が低下する病気です。
- 甲状腺機能亢進症
- 甲状腺ホルモンが必要以上に分泌される病気です。
夜鳴き以外に暴飲暴食、下痢・嘔吐などの症状もみられます。 - 脳腫瘍
- 頭蓋骨の内側にできる腫瘍です。
食欲不振や粗相、高所からの着地に失敗するなど、行動に変化が見られます。
とくに高齢猫の場合は、甲状腺機能亢進症、脳腫瘍のほか、認知症などの病気が原因として考えられます。
病気が疑われる場合は、動物病院で相談してみましょう。
環境に対するストレス
- 兵庫県
臨床経験:1-5年
得意な診療科:内分泌・代謝疾患,皮膚科,歯科・口腔外科- 引っ越しなどによる環境変化。新しい猫が増えたとき。
引っ越しや新しい猫を迎えた場合は、環境の変化にストレスを感じている可能性もあります。
老化による不安感
- 神奈川県
臨床経験:21-30年
得意な診療科:泌尿器科,放射線科,総合診療- 五感が衰えてきたとき。
例えば、白内障で目が見えにくくなったり、耳の老化で聞こえにくくなることで不安を感じ、夜鳴きをする場合があります。
猫の欲求
- 佐賀県
- 外へ出たい。
「外へ出たい」「お腹が空いた」などの欲求によって、夜鳴きをすることがあります。
夜鳴きの対策は?
「猫が落ち着ける環境を整えてあげる」の回答は約9割、「動物病院で受診する」の回答は約8割の獣医師の同意が得られました。
原因を突き止める
- 福岡県
- 原因を突き止めるために、まずは注意深い観察をお願いします。
「猫の行動や食欲に変化がないか」「猫の焦点は定まっているか」など、猫の様子を伺ってひとつひとつ確認してみてください。
異常があれば動物病院へ
- 埼玉県
臨床経験:6-10年
得意な診療科:一般内科,皮膚科,循環器科- 甲状腺ホルモン異常である可能性などもありますので病院の受診をおすすめします。
- 三重県
臨床経験:21-30年
得意な診療科:皮膚科,総合診療,生殖器科- その原因にもよるので、気軽に相談して下さい。
猫の夜鳴きは、原因によって取るべき対策が異なってきます。健診も兼ねて、まずは動物病院で受診してみましょう。
猫が落ち着ける環境を
- 兵庫県
- プライベートスペースの確保
多頭飼いをしている場合は、猫のプライベートな空間を増やして、落ち着いて過ごせる環境を整えてあげましょう。
まとめ
猫が夜鳴きをする原因は、病気、老化、環境へのストレスなど様々です。
- 大阪府
臨床経験:21-25年
得意な診療科:一般内科- 必ず鳴く理由があります。
夜鳴きの原因を突き止めて、それを改善することが重要です。
まずは、猫が落ち着ける環境を整えましょう。病気が疑われる場合は、動物病院で診察を受けましょう。