猫の老化のサイン? シニアを意識した飼い方

2018/12/07

vol.018

猫の老化スピードは、人間の約4~6倍の速さと言われています。まだ若いから大丈夫と油断せず、事前にシニアを意識した飼い方を知っておくことが重要です。
今回は、獣医師100名に猫の老化のサインや注意すべきことについて伺いました。

猫の老化のサインは?

獣医師100名に、シニアを意識し始める猫の年齢について伺った結果、「7歳ごろから」「9歳ごろから」でそれぞれ約3割の回答が得られました。

その他で、老化を意識する必要がある猫のサインについて伺ってみました。

前よりも遊ばなくなったとき

神奈川県
臨床経験:21-30年
得意な診療科:外科
遊ばなくなる。動かなくなる。
佐賀県
歩き方が変化したり、運動量が落ちてきたりする。

シニアに差し掛かると、若い頃のようにおもちゃで遊ぶ機会が減り、全体的な運動量が減ります。

寝る時間が増える

東京都
臨床経験:11-15年
得意な診療科:皮膚科
寝ている時間がより長くなる。

毛づくろいや、爪とぎをしなくなったとき

静岡県
毛並みが落ちる。爪とぎをしない。
岡山県
臨床経験:11-15年
得意な診療科:総合診療,皮膚科,循環器科
爪が自分で研げなくなる。毛並み(特に背中の真ん中から腰のあたり)が悪くなったり、毛玉ができやすくなる。

猫が自分で毛づくろいをしなくなることで毛並みが落ちたり、爪とぎをしなくなることで猫の爪が伸びすぎてしまうことがあります。

高い場所に上らなくなったとき

兵庫県
臨床経験:16-20年
得意な診療科:一般内科,皮膚科,エキゾチック
高いところに登りにくそうにしたり、 ジャンプに失敗したり、フードを食べにくそうにするそぶり。

いつも高いところに登っていた猫が、登るのをためらったり、ジャンプをしなくなったら、老化のサインかもしれません。

水をたくさん飲んだり、尿量が増えたとき

埼玉県
臨床経験:6-10年
得意な診療科:一般内科,皮膚科,循環器科
尿量が増えた。高いところへ登れなくなった。
山口県
臨床経験:21-30年
得意な診療科:一般内科,皮膚科,感染症科
多飲、多尿。体重の減少。

腎臓の機能が低下した猫は、水を飲む量が増えます。

シニアの猫の場合、腎臓の機能が低下することで起きる「腎不全」という病気があります。多飲多尿の症状は「腎不全」の疑いもあるため、一度動物病院で血液検査をしてもらいましょう。

老猫を飼うときの注意点

100名の獣医師に伺ったところ、約9割の獣医師が「飲み水を置く場所を増やす」「またぎやすいトイレに変える」「シニア猫専用のフードに変える」に同意されました。また、「高いところに登りやすいように足場を増やす」の回答も6割の獣医師の同意を頂きました。

そのほか、老猫を飼うときに気を付けたいことについて伺ってみました。

異常があれば、まずは動物病院へ

兵庫県
臨床経験:16-20年
得意な診療科:一般内科,皮膚科,エキゾチック
何か気になることがあれば、できるだけ早く、 まずは電話などでもいいと思うので、受診相談をしてあげて下さい。
大阪府
臨床経験:21-30年
得意な診療科:皮膚科
人に比べて、老化のスピードは、4~6倍なので、先月、先週、先日の元気と言うのは、あてには出来ない。早め早めの検査、処置が大事。

人間と同様に、猫も歳をとると体の様々な機能が低下したり、病気を患うこともあります。日頃から猫の老化のサインをチェックし、気になることがあれば、まずは動物病院で受診をしましょう。

茨城県
臨床経験:21-30年
得意な診療科:皮膚科,一般内科,外科
半年に一度健康診断を。

定期的に動物病院で健診を受けることも大切です。

シニア用のエサに変えてみる

大阪府
臨床経験:21-30年
得意な診療科:皮膚科
定期健診や薬なども大事だが、食事は、毎日の事なので、せめてそれだけでも良い品質の物に変える。

猫に与えるフードは、栄養バランスが整ったものにしましょう。特にシニア用のフードは、成猫用と比べてカロリーが低く、高齢猫に配慮した栄養が含まれているためおすすめです。

愛知県
臨床経験:36-40年
得意な診療科:一般内科,消化器科,泌尿器科
おやつ等は、与えない。
埼玉県
臨床経験:11-15年
得意な診療科:消化器科,皮膚科
塩分を控える。

また、おやつや塩分のあるものを与えるのは控えましょう。塩分の摂り過ぎは、猫の腎臓に大きな負担をかけることになります。

軽い運動をさせてみましょう

三重県
臨床経験:21-30年
得意な診療科:皮膚科,総合診療,生殖器科
寝てばかりおらせず、軽い運動を促す。ブラッシングをしたり、話しかけてあげる。
神奈川県
よりスキンシップの機会を持ってもらう。

歳をとると寝たきりになる頻度が多くなりですが、軽い運動を促しましょう。ブラッシングをしたり、なでてお話しをすることでスキンシップにもなります。猫に安心感を与えることもできますね。

獣医師が勧める老猫のケアは?

「ブラッシングをこまめに行う」の回答は約8割、「爪切りをこまめに行う」「濡れたタオルで目ヤニを優しく拭き取ってあげる」の回答は約7割の獣医師の同意が得られました。

逆に、「シャンプーで洗ってあげる」は同意する回答が少ない結果となりました。体力の落ちてしまった猫に、さらに肉体的負担をかけてしまうため、老猫にシャンプーをすることはお勧めされません。

そのほか、老猫のケアとして注意すべき点について伺ってみました。

爪のお手入れ

奈良県
臨床経験:11-15年
得意な診療科:内分泌・代謝疾患,皮膚科,外科
爪と毛の手入れは必須です。
埼玉県
爪研ぎがうまくできなくなるため、巻き爪になっていないかチェック。

猫は歳をとると自分で爪とぎをしなくなるため、爪が伸びすぎて自身の肉球を傷付けてしまうことがあります。爪が伸びていたら、ペット用の爪切りで爪を切ってあげましょう。

神奈川県
臨床経験:21-30年
得意な診療科:泌尿器科,放射線科,総合診療
手足の先(肉球)を普段からやさしく握ってあげる(マッサージのつもりで)と、血流が良くなる。

スキンシップの一環として、肉球まわりのマッサージをしてあげるのも良いですね。

猫が安心できる環境づくりを

東京都
臨床経験:6-10年
得意な診療科:総合診療,消化器科,循環器科
関節炎や筋力低下が生じる可能性が高いため、段差を少なくするなど、状況に応じた環境づくり。
広島県
床を滑りにくくする。

段差をなくしたり、床を滑りにくくするなどして、猫が過ごしやすい環境を整えてあげましょう。

岡山県
臨床経験:11-15年
得意な診療科:総合診療,皮膚科,循環器科
大きく環境を変えない。もし家を空けるときは、ペットホテルに預けるよりペットシッターを頼む。

猫は歳をとると環境の変化に敏感になります。できるだけ、環境の変化が少なくて済む選択を心がけましょう。

まとめ

一般的に、猫の年齢が7~9歳ごろからシニアを意識した飼い方が必要になるでしょう。また、「寝る時間が増える」「水をたくさん飲む」などの行動の変化が見られた場合も、老化のサインと見ることができます。

愛猫に老化のサインを感じた場合は、飲み水を置く場所を増やしたり、またぎやすいトイレに変えてあげましょう。エサはシニア猫専用のフードに変えましょう。

ブラッシングや爪のお手入れは必須です。猫とのスキンシップの時間を大切にしながら、猫のケアをきちんと行ってあげましょう。

100名の獣医師に聞きたいテーマを投稿