「猫風邪」とは? 症状と対処法

2018/12/28

vol.021

猫は免疫力が低下したとき、咳、鼻水、くしゃみなど、人間の風邪と似た症状がみられることがあります。その様子から、一般的にこの症状は「猫風邪」という名称で知られています。
今回は、獣医師100名に猫風邪の症状や対処法について伺いました。

「猫風邪」とは?

一般的に「猫風邪」と総称されることが多いですが、多くの場合、これらの症状は「カリシウイルス」や「ヘルペスウイルス」というウィルス感染によるものです。

大阪府
臨床経験:21-25年
得意な診療科:一般内科,外科,眼科
風邪と言っても、病気の総称であり、状態によっては命にかかわります。 特に、子猫の場合、半日から1日の食欲廃絶で亡くなるケースもあります。
大分県
臨床経験:16-20年
得意な診療科:総合診療,一般内科
「猫風邪にかかった」というより 抵抗力が落ちたことで発症したと考えてほしい。

「風邪」とはいえ、猫風邪は人間のように放っておいても治ることはありません。猫風邪の症状や対処法は、記事の後半でご紹介します。

猫風邪が多くみられる時期

「冬」の回答が39%と最も多く、次に「春」の回答の27%が続きました。温度変化が激しい季節の変わり目や、気温が低い季節においては、猫風邪に十分注意が必要だということが分かります。

また、「季節による差はない」という回答も25%を占めています。これは、季節に関係なく、猫にストレスがある場合は猫風邪を発症する可能性があるためです。

埼玉県
臨床経験:6-10年
得意な診療科:消化器科,一般内科,泌尿器科
季節の変わり目など免疫力の下がる時期には引っ越しなどストレスになることはしない。

猫風邪の症状とは?

具体的に猫風邪の症状はどのようなものなのか、獣医師の皆さんに伺いました。

獣医師100名に回答していただいた結果、ほぼすべての項目で、獣医師の8-9割が同意しています。つまり、これらの症状がみられた場合は、いち早く動物病院で診てもらう必要があります。

その他、猫風邪が疑われる症状に関するコメントを頂いたのでご紹介します。

よだれが垂れる、口呼吸をしている

石川県
よだれを垂らしている。
大阪府
臨床経験:21-25年
得意な診療科:一般内科,外科,眼科
ぐったりしている。開口呼吸をしている。

鳴き声が変わる

猫が普段と違う声で鳴く場合、喉が腫れていたり、免疫が下がって口内炎ができているのかもしれません。

北海道
臨床経験:16-20年
得意な診療科:総合診療,外科,一般内科
声の変化。口内炎。喉の痛み。

自宅でできる猫風邪の対処法

動物病院では内服薬や注射、点滴などの治療を受けることができますが、治癒のために自宅でもできることはあるのでしょうか。

「多頭飼いの場合は隔離する」は、90%の獣医師の同意が得られました。「排泄物をすぐに処理する」や「水を十分に与える」も80%近い同意が得られています。

猫風邪は人間に感染することはありませんが、猫同士で感染することがあります。感染を防ぐために「多頭飼いの場合は隔離」をしたり、「排泄物をすぐに処理する」ように心がけましょう。

目ヤニを拭いてあげる

猫風邪をひいた猫は、黄色い目ヤニが多く出ます。お湯で濡らしたコットンや綿棒でやさしく取り除いてあげましょう。

大分県
目ヤニや鼻汁のこまめな清拭。

安静にする

猫風邪をひいた猫には、栄養をしっかり与えましょう。飼い主さんによるお世話は必要最低限にとどめて、猫を安静に過ごさせるようにしましょう。

北海道
ストレスを与えることにつながるので、必要以上に世話をしない。安静にする。

猫風邪の予防策は?

猫風邪の予防について、獣医師にご意見を伺いました。

異変を感じたら早めの受診を

東京都
臨床経験:6-10年
得意な診療科:腫瘍科,血液学,皮膚科
重症化すると命にも関わるので、早めの受診をお勧めする。

猫の様子が少しでもおかしいと感じた場合は、早期受診を心がけましょう。猫風邪の治療は長期化する可能性があります。早めに病院で診て頂きましょう。

大阪府
臨床経験:21-30年
得意な診療科:皮膚科
発症初期、もしくは軽症からの治療が、結局は治療費の軽減に繋がる。

ワクチンの接種

岐阜県
臨床経験:16-20年
得意な診療科:外科,泌尿器科,総合診療
ワクチンの定期接種。

猫のワクチンは、3種混合~7種混合の種類があります。猫風邪の予防には、年1回の猫3種混合以上のワクチンが有効でしょう。

多頭飼いの場合、猫風邪をひいた猫のお世話は最後に

北海道
臨床経験:16-20年
得意な診療科:総合診療,外科,一般内科
多頭飼育の場合、風邪猫の世話は、最後に行う。

猫風邪のウイルスは、人の手を伝って他の猫に感染する可能性があります。猫風邪の猫を触った後は必ず手を洗うか、最後にお世話をするようにしましょう。

まとめ

大阪府
臨床経験:21-30年
得意な診療科:一般内科,救急救命科,行動診療科
ヘルペスウイルスとカリシウイルスのうち、「ヘルペスウイルス」は生涯、体から抜けることはないため、完治はない。免疫低下により症状が悪化するため、免疫刺激、免疫増強の治療がこれから常に必要になる。

猫風邪は「風邪」といっても決して軽い病気ではありません。「高熱が出ている」「目ヤニが大量にでて目が開けられない」「食欲がない」などの症状に気づいた場合は、すぐに動物病院へ連れていきましょう。

ほかの猫への感染を防ぐために「猫風邪をひいた猫を隔離」したり「排泄物をすぐに処理する」ようにしましょう。猫風邪の予防には、年1回の猫3種混合以上のワクチンが有効です。

100名の獣医師に聞きたいテーマを投稿