あなたの愛猫は大丈夫? 猫の肥満とダイエット法
2019/01/18
vol.024
猫の生活習慣病である「肥満」。うちの猫は大丈夫と思っていても、実はすでに肥満状態である可能性も。
今回は、獣医師100名に猫の肥満の原因や危険性、ダイエット法について伺いました。
肥満な猫、どのぐらいいる?
獣医師100名に、診察する猫のうち、肥満状態にある猫の割合を伺ったところ、「2-3割」の回答が半数を占めました。「1割程度」「6-7割」という回答もあり獣医師によって回答に差がありますが、肥満状態の猫は意外と多くいそうです。
猫の肥満の危険性は?
猫の肥満の弊害について獣医師100名に伺ったところ、9割以上の獣医師が「様々な病気のリスクが増加する」に同意しました。また、「運動不足になる」「関節や筋肉を傷めやすくなる」においても8割程度の獣医師が同意しました。
そのほか、考えられる猫の肥満の弊害について伺ってみました。
病気のリスクが上がる
- 滋賀県
臨床経験:11-15年
得意な診療科:腫瘍科, 血液学, 循環器科- 糖尿病や肝臓病などの病気のリスクが上がること。
- 滋賀県
- 糖尿病,膀胱炎、皮膚炎。
猫の肥満は、さまざまな病気の原因になるようです。
手術のリスクが上がる
- 山口県
- 何らかの開腹手術が必要となった場合に難易度が上がる=リスクが増える。
猫の体重コントロールを甘く見ると、結果的に愛猫を苦しめることに繋がってしまうのですね。
猫の肥満のよくある原因は?
「フードの量が多すぎる」「フードが不適切」「おやつの量が多すぎる」の回答で9割以上の獣医師が同意しました。猫の肥満の多くの原因は、フードやおやつに関係していると言えます。
そのほか、猫の肥満のよくある原因について伺ってみました。
飼い主の認識
- 三重県
臨床経験:21-25年
得意な診療科:一般内科, 皮膚科- オーナー様が猫の標準体型を理解していない。
(体型の話をしたときにその猫が肥満であるということを認識していない場合が多い)。そのため現在の食事量が適正であると思っている。
- 東京都
臨床経験:16-20年
得意な診療科:一般内科, 消化器科, 循環器科- 飼い主が肥満と認識していない。
「飼い主が肥満と認識していないことが原因で、フードを多く与えすぎている」というご意見を多くいただきました。まずは、飼い主が猫の適正体重を理解することが重要です。
- 東京都
- 猫が鳴くのは、甘えているのであって、おやつをねだっている訳ではない事を理解してほしい。
多頭飼いのリスク
- 兵庫県
臨床経験:1-5年
得意な診療科:総合診療, 一般内科, 腫瘍科- 多頭飼いの時のフードの共有に注意。
多頭飼いの場合、フードを与えた後そのまま放置していると、ほかの猫がフードを必要以上に多く食べてしまうことがあります。
避妊・去勢後も注意
- 山形県
臨床経験:21-30年
得意な診療科:皮膚科, 眼科- 避妊・去勢後の食生活。
避妊・去勢の手術後の猫は、ホルモンバランスの変化により、食欲が増加して太りやすい傾向があります。ぜひ注意してフードの管理を行ってください。
獣医師が勧める猫のダイエット法とは?
獣医師100名に、猫のダイエット法について伺ったみたところ、「体重管理用の療法食を用いる」「ダイエットフードに変える」という回答で9割以上、「理想体重になるまで獣医師の管理を受ける」という回答で8割以上の獣医師が同意しました。
また、「急激にフードの量を減らす」という意見については反対意見が多く得られました。
- 東京都
臨床経験:6-10年
得意な診療科:歯科・口腔外科, 皮膚科, 外科- 急激なダイエットは有害です。 長期の管理をオススメします。
まずはフードの量を減らす前に、フードを見直したり、獣医師の管理を受けることが推奨されます。
そのほか、猫のダイエット法について伺ってみました。
飼い主の意識を変える
- 埼玉県
臨床経験:1-5年
得意な診療科:皮膚科, 循環器科, 一般内科- 飼い主の意識を変える事が一番のダイエット法です。
- 熊本県
- 肥満は病気と認識する。問題があると知る。
まずは、飼い主が意識を改め、猫の適正体重を理解することが重要と言えます。
おやつの与えすぎに注意
- 北海道
- おやつを与えないこと。
普段から猫におやつを与えている場合は、まずおやつを与えることを止めてみましょう。
フードの与え方を工夫する
- 滋賀県
- フードの与え方:フードをいろいろな場所に置き運動を促進させる。
フードの見直しと一緒に、フードをいろいろな場所に置くことで、家の中の空間を利用して運動を促進させるのも良いでしょう。
まとめ
猫は肥満によって、様々な病気のリスクが高まります。多くの場合、獣医師の管理と飼い主の意識の変化によって、肥満を解消することができます。まずは獣医師に相談して、今のフードや食生活を見直してみましょう。
大切な愛猫を守るためにも、飼い主の意識を変えることが重要ですね。