犬の歯磨きと病気予防【後半】~歯磨きのコツ~

2018/07/23

vol.009

前半の記事「犬の歯磨きと病気予防 【前半】~歯磨きの効果~」では、犬の歯磨きで予防が期待できる病気について獣医師に意見を伺いました。後半では、100名の獣医師に犬の歯磨きを続けるコツについてを伺いました。

前半の記事「犬の歯磨きと病気予防 【前半】~歯磨きの効果~」はこちら

獣医師が薦める歯磨きの方法やコツは?

具体的に、歯磨き方法やコツについて獣医師100名に伺ってみました。「段階を踏むこと」「歯磨きグッズを上手に使うこと」がポイントです。

最初は口まわりをタッチ。段階を踏む

いきなり口の中に歯ブラシをいれて歯磨きしようとすると、ほとんどの犬がびっくりして怖がってしまいます。最初は、口のまわりを触って慣れさせるところから始めましょう。

広島県
得意な診療科:総合診療
はじめから歯ブラシを使うのではなく、指を突っ込むのに慣れさせてから、ガーゼを指に巻いてといったように段階を踏んでやるのが良い。

歯ブラシを噛んで遊ぶ犬の対策も教えていただきました。

東京都
臨床経験:6-10年
遊びになってしまい、歯ブラシを噛んでしまう犬については指での歯磨きから慣れ、その後指と歯ブラシの柄の方を一緒に入れるようにして慣れ、次に歯ブラシ、といったように段階を踏む。
最初は前歯だけなど、磨く場所も簡単なところから少しずつなれるのが大切。

ほめることが大切

嫌がる姿をみるとつい叱りたくなりますが、ここは我慢してほめてあげましょう。「口を触られると褒められていいことがある」と覚えさせましょう。

兵庫県
臨床経験:1-5年
得意な診療科:皮膚科,神経科,栄養学
お口を触ったらご褒美を与えるなど少しずつ進める。

ペーストやいろいろな方法を試す

また、歯ブラシに好きな味のペーストを付けるのもよさそうですね。歯ブラシに抵抗がある犬には試してみてはいかがでしょうか。

埼玉県
臨床経験:1-5年
得意な診療科:泌尿器科,一般内科,総合診療
いろんなタイプの歯磨きペーストを試してみる。

その他のポイント

家族で飼っているときは、1人に任せずみんなで歯磨きをするのも大切です。

埼玉県
臨床経験:1-5年
得意な診療科:泌尿器科,一般内科,総合診療
歯磨きだけでなくいろいろな方法を組み合わせて、長く続くようにする。 家族で飼っているのなら、歯のケアは家族全員でやってあげる。一人だけに任せない。

向かい合うとうまくできない犬は、膝の上に寝かせてみましょう。無理に口をこじ開けないで磨くのもコツですね。

岐阜県
臨床経験:16-30年
得意な診療科:一般内科,循環器科,総合診療
膝の上に仰向けで寝かせる状態で実施すると良い。
埼玉県
臨床経験:11-15年
口を開けないで磨く。

歯磨きは子犬のうちから

子犬を飼っている方は、子犬のうちから歯のケアを始めましょう。

愛知県
得意な診療科:一般内科,消化器科,循環器科
子犬のうちから慣らすことが大切です。

強く磨きすぎない

早くきれいにしてあげようと、ごしごし磨くのはやめましょう。

神奈川県
臨床経験:26-30年
必要以上に歯をこすらないようにする。
静岡県
臨床経験:6-10年
得意な診療科:泌尿器科,放射線科,総合診療
CETペースト(犬猫用歯磨きペースト)を舐めさせるのも良い。ゴシゴシこすると歯肉炎がひどくなる。

金属製のスケーラーを使う方は、削りすぎないよう気をつけてください。

北海道
臨床経験:11-15年
得意な診療科:内分泌・代謝疾患,皮膚科,歯科・口腔外科
金属のスケーラーを購入してガリガリやる方も稀にいますが、マイナス面も多いので慎重に行ってください。

焦らない・無理をしないことが続けるポイント

焦らず、無理をしないようにしましょう。歯磨きがストレスにならないようにしたいですね。

愛知県
臨床経験:21-25年
お互いのストレスにならないように。

犬が嫌がったら、切り上げてしまいましょう。

三重県
臨床経験:21-25年
得意な診療科:外科,一般内科,循環器科
ちょっとでも犬が嫌がる様子をみせたらすぐ止める。

歯磨き以外のケア方法

日頃できる歯磨き以外のケアについても伺いました。いろいろなグッズを使ったり食事を気遣ったりすることで、犬の歯をきれいにすることができそうですよ。

犬歯の定期健診を

犬の歯の定期健診に行きましょう。もし歯石や歯垢が溜まっていたら、先生の指示に従います。歯のケアに使っているものを持っていて、効果があるかどうか、使い方などを見てもらうと安心ですね。

東京都
臨床経験:21-25年
得意な診療科:総合診療,歯科・口腔外科,皮膚科
歯の定期検診を薦める。
東京都
臨床経験:6-10年
効果があると謳っている商品でも、実際にはあまり効果のないものもあるので、一度動物病院で確認をしてください。

歯ブラシ以外の方法は?

山口県
得意な診療科:一般内科,消化器科,循環器科
歯磨き以外はあまり効果がない。

なるべくなら、歯磨きをしっかりやりたいところです。しかし慣れないうちはほかの方法もやっていきましょう。例えばガーゼで拭くだけでも、効果があります。歯肉周囲をマッサージするのもいい方法です。

兵庫県
臨床経験:1-5年
得意な診療科:皮膚科,神経科,栄養学
歯肉周囲のマッサージ。

サプリメントやデンタルジェル、歯磨きペーストも試してみましょう。

北海道
臨床経験:11-15年
得意な診療科:内分泌・代謝疾患,皮膚科,歯科・口腔外科
サプリメントは実感として良いように思います。
三重県
臨床経験:21-25年
得意な診療科:外科,一般内科,循環器科
歯みがきペーストを塗ってあげるだけでも、何もしないよりは歯石の付着や歯周病は軽減される。VOHC(Veterinary Oral Health Council 米国獣医口腔衛生協議会)の歯みがきを使用する。
神奈川県
臨床経験:26-30年
得意な診療科:,,
スプレータイプのものや、食餌に混ぜるタイプなどもあるので、飼い主様もワンちゃんも無理がないように続けること。また、口腔内の細菌叢を整えることも大切です。

水分や食事・おやつにも気をつけてあげましょう。できればドライフードを与えましょう。歯の健康に配慮したフードも売られています。

岐阜県
臨床経験:26-30年
得意な診療科:一般内科,循環器科,総合診療
水分を十分摂取出来るように心がける。
大阪府
臨床経験:11-15年
得意な診療科:総合診療,消化器科,循環器科
歯のケアができる、フード、おやつ、飲み水、おもちゃなどを与える。
静岡県
臨床経験:6-10年
得意な診療科:泌尿器科,放射線科,総合診療
犬用歯磨きペーストを舐めさせる。フードはドライにする。

市販の硬すぎるおやつには気を付けましょう。定期的に病院でチェックすることも必要です。

大阪府
臨床経験:26-30年
得意な診療科:一般内科,循環器科
骨など余り硬すぎる物も気を付ける様に使用する事。与えっぱなしでは無く、定期的に病院でチェックする事。
北海道
臨床経験:11-15年
得意な診療科:内分泌・代謝疾患,皮膚科,歯科・口腔外科
ブタのヒヅメなど、硬すぎて歯を欠けさせるおやつが結構多く売られているので、要注意です。

犬の歯磨きについて、獣医師のご意見

犬の歯磨きについて、獣医師のご意見を伺いました。歯のケアは犬の健康維持にとても大切であることがわかります。

まずは慣れさせること

東京都
小さい頃から歯磨きに慣れさせることが重要。
東京都
臨床経験:6-10年
得意な診療科:皮膚科,神経科,栄養学
歯石はついてから歯磨きでは遅い。幼犬のうちから歯磨きに慣れさせておくことが大事。

歯磨きを習慣にして、続けること

山口県
右側だけでもいいので必ず1日1回は口を触る。 シニアになって後悔する人が多い。
東京都
小さい頃からの習慣付けが大切です。毎日実施するのはとても大変ですが、高齢になっても自分の歯で食べられるように、正しい方法、頻度で歯磨きをしてあげてください。

犬の歯磨きはやはり大切

北海道
臨床経験:11-15年
得意な診療科:一般内科,外科,歯科・口腔外科
特に小型犬種を飼われている方、飼い始める方は、歯を高齢まで維持するのが非常に難しいことを知ってほしい。また、歯の管理は毎日必要であり、動物病院に任せられないことを早いうちから認識してほしい。
広島県
犬の歯周病は大変多い。口腔内の感染が全身に影響することもあるため、歯のみの問題と考えず、長生きするためにも歯磨きは大事である。

無理はしない、させないこと

完璧を目指しがちですが、無理はしないことが続けるコツです。磨きすぎにも気を付けましょう。

広島県
臨床経験:6-10年
得意な診療科:循環器科,呼吸器科,眼科
無理に磨こうとせず、おやつを使いながら少しずつ慣れさせていくことが大事。その子にあった歯ブラシを使い慣れさせていく。歯磨きは口腔ケアだけではなく、歯周病から派生する病気も防ぐことができる。
静岡県
臨床経験:6-10年
得意な診療科:泌尿器科,一般内科,総合診療
やりすぎると、歯肉炎がひどくなる。

困ったときは動物病院で相談

困ったときは飼い主さん1人で悩まず、獣医師に相談しましょう。

熊本県
無理をしない。困った時は、動物病院に相談。

【後半】歯磨きのコツのまとめ

歯磨きの効果を出すには「続けること」が重要です。
続けるには「少しずつ慣れさせること」、そしてなにより「無理をしないこと」が大切であることがよく分かりました。「犬の口の様子が変だ」「うまくいかない」「このやり方でいいのかわからない」というときは、獣医師に相談しましょう。定期健診で歯の状態をチェックしてもらうことは、犬の健康維持に大切なことです。

犬の歯磨きの効果については、前半の記事「犬の歯磨きと病気予防 【前半】~歯磨きの効果~」をご覧ください。