「犬の夜鳴き」どうすればいい? 原因と対策は?
2019/01/11
vol.023
「夜間に愛犬の鳴き声が止まらない...」と、ご近所迷惑や睡眠不足で頭を悩まされる飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、獣医師100名に犬の夜鳴きの原因や対処法について伺いました。
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夜鳴きをする犬はどれくらいいる?
夜鳴きをする犬の割合について獣医師100名に伺った結果、仔犬と成犬は「1割程度」の回答が最も多くを占めました。一方、老犬においては「2-3割」の回答が半分を占めています。
夜鳴きは「仔犬」や「成犬」よりも、「老犬」においてよく見られるようです。
夜鳴きの原因は?
100名の獣医師に伺ったところ、「認知症の症状(高齢犬の場合)」の項目で98%の同意が得られました。高齢犬の場合は、かなりの確率で認知症に原因があることが分かります。病気が疑われる場合は、動物病院で相談してみましょう。
- 鹿児島県
臨床経験:16-20年
得意な診療科:生殖器科, 放射線科, 栄養学- 高齢犬の痴呆でよくみられる。
そのほか、
体の苦痛や体調不良
体の苦痛や体調不良が原因で、夜鳴きをすることがあります。
- 三重県
臨床経験:21-25年
得意な診療科:一般内科, 皮膚科- 体調に異常がある(疼痛や不快感をともなう)
環境に対するストレス
- 東京都
- 環境ストレス(同居犬や他の同居動物、散歩不十分、お腹すいたなど)
引っ越しや新しい動物をペットとして迎えた場合は、環境の変化にストレスを感じている可能性もあります。また、散歩が不足がちな日が続くと、ストレスで夜鳴きをすることもあるでしょう。
トイレに行きたい
- 東京都
臨床経験:6-10年
得意な診療科:総合診療, 消化器科, 循環器科- 外でしか排泄をしない場合は、トイレに行きたいなど。
排泄のしつけによっては、排尿のため外に出たい場合に夜鳴きをすることも考えられます。
「音」に怯えている
- 兵庫県
臨床経験:1-5年
得意な診療科:総合診療, 一般内科, 腫瘍科- 雷などの災害による夜鳴きもある。
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犬の夜鳴きの対策は?
夜鳴きの対策としては、「動物病院で受診する」「日中にたくさん遊んであげる」の回答で、9割弱の獣医師から同意が得られました。
逆に「大きな音を出して驚かせる」という方法は推奨されません。犬に恐怖感を与えてしまわないように気を付けましょう。
原因を突き止めましょう
- 東京都
- 夜泣きの原因は様々なのでその状況に合わせた対処が必要と思われる。
「興奮しているのか」「寂しがっているのか」「お腹が空いているのか」など、犬の様子をひとつひとつ確認してみてください。
異常だと感じたら動物病院へ
- 神奈川県
臨床経験:16-20年
得意な診療科:外科, 一般内科, 総合診療- 年齢や状態によるのでまずは獣医師に相談を。
場合によってはトレーナーなど専門家に相談するのもありだと思うが、トレーナーもいろいろいます。
合わないと思ったら1人に固執したりせずに、困った時は獣医師相談してほしい。
薬の投与も考えましょう
- 栃木県
臨床経験:6-10年
得意な診療科:一般内科, 循環器科, 眼科- 薬もあったりしますよ。
夜鳴きが激しいわんちゃんには、サプリメントや安定剤に頼るのも一つの手です。獣医師に相談してみましょう。
仔犬の夜鳴きには時計の針の音が効果的?
- 神奈川県
臨床経験:21-30年
得意な診療科:泌尿器科, 放射線科, 総合診療- 仔犬であれば、目覚まし時計など、規則的な音や振動があるものを置いてあげる。
仔犬の場合、「カチカチ音がなる」目覚まし時計や置き時計などを寝床のそばに置くと、孤独感を感じにくく、安心して寝るようになる場合が多いようです。
飼い主さんの健康も大切
- 福岡県
臨床経験:1-5年
得意な診療科:一般内科, 歯科・口腔外科, 循環器科- 飼い主様が神経質になりすぎて体調を崩されないよう気をつけてください。
- 北海道
臨床経験:1-5年
得意な診療科:皮膚科, 歯科・口腔外科, 一般内科- 飼い主の健康を第一に考えるべきで、対応できないなら数日預けるなどした方が良い。
ご近所迷惑で頭を悩まされて、飼い主さんが気を背負ってしまうことは避けなければなりません。一人で抱え込まず、獣医師や専門家に相談し、少しずつ改善を目指していきましょう。
まとめ
犬の夜鳴きをやめさせるには、まず夜鳴きの原因を突き止めて、それを改善することが重要です。生活習慣が原因だった場合は、愛犬の生活リズムを見直してみましょう。
- 東京都
臨床経験:16-20年
得意な診療科:一般内科, 消化器科, 循環器科- メリハリと規則性のある生活を心がける。
高齢犬の場合は、薬の投与で症状が改善されることがあります。まずは獣医師に相談をしてみましょう。